「明日の準備、できた?」
「できたよ!」
そう言っていたのに、翌朝ランドセルを開けると、宿題のノートが入っていない。
昨日も確認したのに、また忘れ物。毎日のように「ちゃんと準備した?」と聞いていると、親のほうも疲れてしまいますよね。
でも、子どもにとっての「準備できた」と、大人が考える「準備できた」は、少し違っていることがあります。
ランドセルに教科書を入れたら、それで終わりだと思っていた。宿題は終わらせたけれど、ノートを入れるところまでは考えていなかった。
忘れ物を減らすには、こうした小さな違いに目を向けることが大切です。
忘れ物が多いのはなぜ?子どもが忘れてしまう理由
忘れ物が続くと、「もっと気をつけてほしい」「何度言えば覚えてくれるんだろう」と思うものです。
ただ、忘れ物にはいくつかの理由があり、子どもによって困っているところも違います。
「あとで入れよう」が、そのまま忘れ物になる
宿題が終わって、ノートを机の上に置く。
「あとでランドセルに入れよう」と思っていたのに、テレビを見たり、遊び始めたりしているうちに忘れてしまう。
宿題が終わった瞬間に別のことへ気持ちが移ると、ランドセルに入れる予定がそのまま抜けてしまうことがあります。
こういう場合は、「忘れないように覚えておく」より、宿題が終わったらその場でランドセルに入れるほうが確実です。
何を準備すればいいのか分かっていない
「明日の準備をしてね」と言われても、何から始めればいいのか分からない子もいます。
時間割を見る。必要な教科書を探す。筆箱を確認する。連絡帳に書いてある持ち物をそろえる。
大人にはひとつの「準備」に見えても、実際にはいくつもの作業があります。
例えば、時間割どおりに教科書を入れることはできても、連絡帳に書かれた「図工で使う空き箱」までは確認していない場合もあります。
本人は準備を終えたつもりなので、「どうして忘れたの?」と聞かれても、うまく答えられないことがあります。
持ち物がどこにあるか分からない
「体操服を入れてね」
そう言われても、体操服がどこにあるか分からなければ、まず探すところから始まります。
引き出しを開けて、洗濯物の山を見て、見つからなければ家族に聞く。
その途中で別のことが気になって、準備が止まってしまうこともあります。
持ち物の場所が決まっていないと、準備をするたびに探す作業が増えてしまいます。
準備すること自体が負担になっている
「早く準備して!」
「まだ終わってないの?」
毎日同じやり取りが続くと、準備の時間が親子ともに嫌な時間になってしまうことがあります。
やることが多いと途中で疲れてしまう子や、何から始めるか決めるのが苦手な子は、ランドセルを開く前から気が重くなることもあります。
そんなときは、準備を全部いっぺんに始めるのではなく、最初の一つだけ決めてみます。
「まず時間割を見る」
「今日は持ち物を読み上げるから、ランドセルに入れるところだけやってみよう」
最初の動きが決まると、そこから続けやすくなることがあります。
「何を忘れた?」より「いつ抜けた?」を見てみる
宿題のノートを忘れたとき、つい「またノートを忘れたの?」と言いたくなりますよね。
でも、同じノートの忘れ物でも、前の日の様子をたどると違いがあります。
- 宿題が終わったあと、机に置いたままだった
- ランドセルに入れるつもりだったけれど、そのまま別のことを始めた
- 明日の準備で、宿題のノートを確認していなかった
- 一度ランドセルに入れたあと、取り出して戻し忘れた
机に置いたままなら、宿題が終わったらすぐしまう方法が合いそうです。
準備のときに確認していないなら、チェックするものにノートを加える。
一度入れたものを取り出して忘れるなら、最後にもう一度ランドセルの中を見るほうが役立ちます。
同じ「ノートを忘れた」でも、変える場所は違います。
家庭でできる忘れ物対策
忘れ物を減らすために、特別な道具をそろえる必要はありません。
どこで抜けているかに合わせて、今の準備の仕方を少し変えてみます。
確認するものが分からないなら、チェックリストを使う
チェックリストを作ったのに、子どもが全然見てくれない。
そんなこともありますよね。
リストに「時間割・連絡帳・宿題・持ち物」と書いてあっても、子どもには何をすればいいのか分かりにくい場合があります。
例えば「筆箱を確認する」なら、
「鉛筆は削ってある?」
「消しゴムは入っている?」
と、確認する内容まで書いておく方法があります。
文字だけでは分かりにくい子には、筆箱や水筒の写真を使うのも一つの方法です。
最初から全部をリストにするより、いつも忘れやすいものを3〜5個ほど選ぶと、確認する負担も少なくなります。
チェックをつけるのは、実際にランドセルに入れたあと。
「丸はついているのに、持ち物は机の上」というすれ違いも防ぎやすくなります。
持ち物を探しているなら、置き場所を決める
帰宅したらランドセルはリビング、筆箱は机、連絡帳はソファの上。
これでは、翌日の準備をするたびに家の中を移動することになります。
ランドセルを置く場所の近くに、教科書や学校で使うものをまとめておくと、探す手間を減らせます。
今ある棚やかごを使ってもいいですし、中身が分かりにくいものは、透明なケースや写真のラベルを使う方法もあります。
大切なのは、子ども自身が「ここにある」と分かることです。
置き場所を決めたら、帰宅後にそこへ戻すところも一緒に確認していきます。
すぐにランドセルへ入れられないものは、ひとまとめにする
学校から「明日は折り紙を持ってきてください」と言われたら、用意した折り紙をランドセルの横のかごへ。
すぐにランドセルへ入れられないものも、置く場所を決めておくと、あちこちに散らばりにくくなります。
水筒のように前夜には用意できないものは、写真やカードを置いておく方法もあります。
ただし、かごに入れただけでは準備は終わりません。
最後にランドセルへ移すところまでを、ひとつの流れとして考えます。
「準備した?」より伝わりやすい声かけ
「明日の準備した?」
「した!」
このやり取りだけでは、何が終わっていて、何がまだなのか分かりません。
そんなときは、聞き方を少し具体的にします。
「宿題のノートはランドセルに入れた?」
「明日、図工で使うものはある?」
確認するものがはっきりすると、子どもも答えやすくなります。
また、忘れ物をした日には、すぐに「次は忘れないでね」と言うより、前の日のことを一緒に思い出してみます。
「ノート、昨日どこに置いたっけ?」
「机の上」
「そっか。宿題が終わったところまではできてたんだね。次はそこからランドセルに入れるところまでにしようか」
「忘れたこと」だけではなく、どこまではできていたのかを見ると、次に変える場所が分かりやすくなります。
前日の準備と朝の確認は分けて考える
前の日に準備したはずなのに、朝になって忘れ物に気づく。
そんな場合、前夜の確認だけでは足りないものがあるのかもしれません。
水筒やお弁当など、当日にならないと用意できないものもありますよね。
そこで、準備を2つに分けます。
前日の夜にすること
- 時間割を見て教科書を入れる
- 宿題と連絡帳を入れる
- 特別な持ち物を確認する
当日の朝にすること - 水筒を入れる
- ハンカチやティッシュを持つ
- 前夜に用意できなかったものを確認する
朝の確認リストは、玄関やランドセルの近くなど、実際に準備する場所に置くと使いやすくなります。
前日の準備を頑張っているのに忘れ物が続くなら、朝にしか用意できないものが抜けていないかも確認してみてください。
チェックリストを使っても忘れるなら、別の場所で抜けていない?
リストを作って、置き場所も決めた。それでも忘れ物がなくならないことはあります。
そんなときは、チェックリストをもっと細かくする前に、子どもが実際にどう使っているかを見てみます。
リストを見ること自体を忘れているなら、置き場所が合っていないのかもしれません。
チェックはつけているのに忘れるなら、ランドセルに入れる前にチェックしていないかを確認します。
途中で準備が止まるなら、項目が多すぎないかも見てみます。
そして、もうひとつ分けて考えたいのが、
家から学校へ持っていく忘れ物と、
学校から家へ持ち帰る忘れ物です。
家では翌日の準備ができているのに、宿題や連絡帳を学校へ置いてきてしまうなら、家庭でチェックリストを工夫するだけでは解決しにくくなります。
その場合は、
「帰りの会で、宿題をランドセルに入れる」
「連絡帳を入れてから帰る準備をする」
など、学校側でどのタイミングなら確認しやすいかを先生と相談する方法もあります。
忘れ物だけでなく、日常生活のさまざまな場面で困りごとが続いている場合は、担任の先生やスクールカウンセラーなどに相談することもできます。
まとめ|「準備できた」の中身を一緒に確認してみよう
子どもが「準備できた」と言っていても、教科書を入れたところで終わっていたり、宿題のノートはあとで入れるつもりだったりします。
本人にとっては、ちゃんと準備したつもりだったのかもしれません。
次に忘れ物があったら、「何を忘れた?」だけでなく、
「昨日、どこまで準備できていた?」
と聞いてみます。
机の上に置いたままだったのか。
ランドセルに入れる前に別のことを始めたのか。
朝にしか用意できないものだったのか。
それとも、学校から持ち帰るところで抜けたのか。
そこが分かると、チェックリストを使うのか、置き場所を変えるのか、朝の確認を加えるのか、学校での確認方法を相談するのか。
次に必要な工夫も、具体的に見つけやすくなります。


