学校から帰ってきた子どもの連絡帳を開くと、今日も白紙。
「明日の持ち物は?」「宿題は何ページ?」
聞いても「分からない」と言われると、困ってしまいますよね。
「ちゃんと黒板を見ていなかったのかな」「もう少し集中して書いてほしいな」と思うこともあるでしょう。
でも、連絡帳が書けない理由は、子どもによって違います。
黒板の文字を読むことはできても、ノートに書き写すのが追いつかない子もいます。書いている途中で、黒板のどこを見ていたか分からなくなる子もいます。
まずは、連絡帳を書くときに何が難しくなっているのか、少し詳しく見ていきましょう。
連絡帳が書けないのは、どこで困っているから?
連絡帳を書くとき、子どもは黒板を見ながら、いくつもの作業をしています。
黒板の文字を読む。覚える。手元の連絡帳に目を移す。文字を書く。そして、また黒板を見る。
大人には何気ない作業でも、これを繰り返すのはなかなか大変です。
黒板を見ているのに、書き写せない
黒板に「こくご P.25〜27」と書いてある。
子どもはそれを見て、連絡帳に「こくご」と書き始めます。でも、もう一度黒板を見たときには、どこから続きを読めばいいのか分からなくなってしまう。
こうした場合は、黒板と手元を行き来することや、見た内容を一時的に覚えておくことが負担になっている可能性があります。
特に、黒板の文字が多いと、続きを探すだけでも時間がかかります。
家では文字を書けるのに、学校では連絡帳が完成しない。そんなときは、文字を書く力だけでなく、書き写す作業そのものに目を向けてみる必要があります。
書くのに時間がかかって、最後まで終わらない
連絡帳に何か書いてあるけれど、途中で終わっている。
そんな場合は、書く速さが関係していることもあります。
文字の形を思い出しながら書いたり、小さなマスに収めようと何度も書き直したり。丁寧に書こうとするほど、時間がかかる子もいます。
また、鉛筆を動かすこと自体が負担になっている場合もあります。
家で一文字ずつゆっくり書くことと、限られた時間に黒板を見ながら書くことは、同じではありません。
書き始める前に時間が過ぎてしまう
「連絡帳を書きましょう」と先生が言っても、なかなか鉛筆を持たない。
周りの子が書き始めているのに、まだ連絡帳を出していないこともあります。
この場合、何から始めればいいのか迷っていたり、ほかの活動から気持ちを切り替えるのに時間がかかっていたりすることが考えられます。
教室がにぎやかで、先生の指示を聞き逃している場合もあるでしょう。
書く力はあっても、書き始めるところで止まっているなら、文字の練習を増やすだけでは解決しにくいところです。
連絡帳が白紙なのか、途中まで書けているのか
家で連絡帳を確認するときは、書かれている内容にも目を向けてみます。
たとえば、こんな違いがあります。
- 白紙のまま: 連絡帳を出す、書き始めるといったところで困っている可能性がある
- 最初の一行だけ書いてある: 書くのに時間がかかる、途中で分からなくなるなどの理由が考えられる
- ところどころ抜けている: 黒板の見落としや、書き写す場所を見失っている可能性がある
- 文字は書いてあるけれど読みにくい: 急いで書いている、文字の大きさを調整しにくいなどの事情が考えられる
もちろん、連絡帳だけで原因を決めることはできません。
「学校では、どんな様子で書いていますか?」
先生にそう聞いてみると、家庭では分からなかったことが見えてくる場合があります。
学校でお願いできる連絡帳の工夫
連絡帳を書くことが負担になっているなら、学校と相談して書き方を工夫する方法もあります。
どんなところで困っているかによって、役立つ工夫も変わります。
書く量が多すぎるなら、穴埋め・チェック式にする
毎日同じような内容をすべて書き写すのは、時間がかかります。
宿題の教科や持ち物など、決まった項目をあらかじめ印刷しておけば、子どもが書く部分を減らせます。
たとえば、宿題はページ数だけを書き、持ち物は必要なものにチェックを入れる形です。
これなら、書くことに時間がかかる子でも、連絡事項を確認する作業に参加できます。
黒板との往復で迷うなら、手元に見本を置く
黒板を見て、連絡帳に書いて、また黒板を見る。
この繰り返しで迷ってしまうなら、手元に連絡事項の見本を置く方法があります。
黒板のどこまで書いたかを探し直さずに済むので、続きを書きやすくなります。
黒板に連絡帳専用のスペースを決めてもらうことも、書く場所を見つける助けになります。
時間内に終わらないなら、写真や配信で補う
一生懸命書いていても、時間内に終わらない子もいます。
そんな場合は、書けなかった部分をタブレットで撮影したり、先生から連絡事項を配信してもらったりする方法もあります。
学校のルールに合わせて、印刷した連絡事項を渡してもらうことも考えられます。
子どもが書いた部分はそのまま残し、足りない情報だけ別の方法で補ってもいいでしょう。
連絡帳を自分で書く練習と、必要な連絡を家庭に届けることは、分けて考えてもいいのです。
家庭では、連絡帳を見ながらどう声をかける?
連絡帳が白紙だと、翌日の準備ができなくて困ります。
「なんで書いてこなかったの?」と聞きたくなるのも自然なことです。
でも、子ども自身も理由をうまく説明できない場合があります。
「どうして?」と聞かれても、「分からない」としか答えられないこともあるでしょう。
そんなときは、もう少し具体的に聞いてみます。
「今日は連絡帳を出せた?」
「黒板には何か書いてあった?」
「途中まで書いて、時間がなくなった?」
これなら、何が起きたのかを思い出しやすくなります。
ただ、学校で疲れて帰ってきた子に、何度も質問する必要はありません。連絡帳の様子と先生からの情報を合わせて確認するだけでも、手がかりになります。
家で書く練習を増やしたほうがいい?
連絡帳が書けないと、家庭でも書き写す練習をしたほうがいいのかな、と考えますよね。
文字を書くこと自体に時間がかかるなら、マスの大きいノートを使ったり、書きやすい鉛筆を選んだりする工夫は役立ちます。
でも、家では問題なく書けるのに学校では書き終わらないなら、練習量よりも学校での書き方を調整したほうがよい場合があります。
たとえば、家では目の前の紙を見て写しているけれど、学校では離れた黒板を見ている。この違いだけでも、作業の難しさは変わります。
家庭で様子を確かめるなら、短い文章を少し離れた場所に置いて書き写してもらうと、黒板と手元を行き来するような作業で、どこに時間がかかるのか見えることもあります。
毎日連絡帳を書いて疲れている子に、さらに長い書き取りを課す必要はありません。
連絡帳を全部書けなくても、翌日の準備はできる
連絡帳には、宿題や持ち物、翌日の予定など、大切な情報が書かれています。
だからこそ、書き終わらなかったときに、どうやってその情報を確認するかも決めておきたいところです。
たとえば、宿題だけは自分で書き、持ち物は印刷された予定表で確認する。書けなかった部分は、先生に補足してもらう。
そんな役割分担も考えられます。
少しずつ書ける項目を増やしていく子もいれば、写真や配信を使ったほうが学校生活を送りやすい子もいるでしょう。
どちらの場合も、必要な連絡が家まで届く方法を学校と共有しておくことが大切です。
まとめ|連絡帳が書けないときは、学校での様子を確かめよう
連絡帳が白紙だったり、途中までしか書けていなかったりすると、つい「もっとちゃんと書いてほしい」と思ってしまいます。
でも、書き始めるのに時間がかかる子と、黒板から書き写すのが難しい子では、必要な手助けが違います。
まずは先生に、連絡帳を書く時間の様子を聞いてみてください。
「書き始めるまでに時間がかかっていますか? それとも、書いている途中で終わってしまいますか?」
その違いが分かれば、穴埋め式にするのか、見本を手元に置くのか、写真で補うのか、相談する内容も具体的になります。
連絡帳の目的は、全部をきれいに書くことだけではなく、必要な情報が家まで届くこと。
子どもが取り組める書き方と、家庭に連絡が届く方法を、学校と一緒に考えていきたいですね。


