九九を練習していて、ちょっと不思議に感じることがあります。
2の段を最初からなら、すらすら言える。
ところが「2×7は?」とひとつだけ聞くと、急に答えが出てこない。
「さっき2×7も言っていたよね?」と思いますよね。
でも、最初から順番に唱えることと、聞かれた式の答えをその場で思い出すことは、まったく同じではありません。
ほかにも、答えは分かるのに九九の言い方で止まったり、「3×4=12」は言えても3×4が何を表しているのかは分からなかったりします。
「九九が覚えられない」とひとまとめにせず、どんな聞き方をしたときに止まるのか、少し見てみましょう。
最初から言えるのに、途中から聞くと分からない
「2×7は?」
そう聞くと黙ってしまうのに、「2×1から言ってみて」と声をかけると、
「にいちがに、ににんがし、にさんがろく……」
と進んで、2×7までたどり着ける。
これは、2の段をまったく覚えていないわけではありません。九九をひと続きの言葉として覚えていて、前の式を手がかりに次の答えを思い出しているところです。
いつもの暗唱ができるようになってきたら、ときどき途中の式を聞いてみます。
たとえば2の段を言い終わったあとに、「じゃあ、2×8は?」とひとつだけ。
すぐに出てこなければ、最初から唱えて答えを探します。
式だけを見せたら思い出せるのか、声に出して最初から唱えると出てくるのか。そんなところも、手がかりになります。
九九の言い方だけで止まるなら
「7×4=28」は分かっているのに、九九で言おうとすると「しちし……なんだっけ?」と止まる。
数字を見れば分かるのだから、答えそのものを知らないわけではなさそうです。
九九には「しちしにじゅうはち」「はちしさんじゅうに」など、普段の会話ではあまり出てこない言い方があります。ここが混ざっているなら、計算問題を増やすより、九九の音を覚える練習のほうが合います。
九九の歌や読み上げに合わせて声に出してみると、「6の段になると急に言いにくそう」「ここだけ毎回止まる」といったところも見つけやすくなります。
止まるフレーズが分かったら、そこを何度か声に出します。
「3×4=12」は言えるけれど、意味が分からないなら
「3×4は?」
「12!」
では、3×4ってどういうこと?
ここで手が止まるなら、おはじきやブロック、お菓子などを3個ずつ4組にして並べてみます。
●●● ●●● ●●● ●●●
「3個が4つあるね。全部でいくつ?」
数えると12個です。
そこで、並べたものと「3×4=12」をつなげます。
九九の答えを覚えることと、「3個が4つで12個」のように、かけ算が何を表しているのかを分かることは別です。
「3×4=12」を知っているかどうかだけでは見えにくいところです。
覚えた式と、いつも止まる式が分かれてきたら
練習を続けていると、「5×6」はすぐ出るのに「7×8」は毎回止まる、というように差が出てきます。
ここまできたら、九九カードから、よく止まる式を何枚か抜き出して使う方法があります。
答えられたカードは別の山へ。迷ったカードは残して、もう一度。
すると、「九九が苦手」という大きなくくりではなく、今まだ迷っている式が見えてきます。
昨日まで何度も残っていたカードが、今日はすっと別の山へ移る。カードを使うと、覚えてきた式も目で確認できます。
カードの代わりに、1問ずつ出せる九九アプリを使っても同じように確認できます。ハピネスねっとの九九練習も、段を選んで短く練習したいときに使えます。
逆から言う練習は、いつから?
九九を上から言えるようになると、9から1へ逆に唱える「逆九九」を練習することもあります。
ただ、逆から言えるかどうかだけで、九九を覚えたかを確かめる必要はありません。
たとえば2の段を順番に言えたら、次は途中の式をひとつ聞いてみる。さらに、順番を変えて聞いてみる。
逆から唱えるのも、九九をいつもと違う順番で思い出す練習のひとつです。
それより先に見ておきたいのは、「2×7は?」と聞かれたときに、2×7の答えを取り出せるかどうかです。
「2×7は?」だけで分からなくても、覚えていないとは限らない
2の段を最初から唱えれば、2×7までたどり着ける。でも「2×7は?」と突然聞かれると出てこない。
それなら、もう一度2の段を最初から何度も唱えるだけではなく、ときどき途中の式を聞いてみます。
反対に「7×4=28」は分かるのに「しちし……」で止まるなら、練習したいのは答えではなく、九九の言い方です。
同じ「九九が覚えられない」でも、ここはずいぶん違います。
次に九九で手が止まったときは、すぐに答えを教えず、最初からなら言えるのか、式を見れば出てくるのかを少し見てみてください。


